足の切断を回避するPRP療法とは?自身の血小板で足の傷を回復!
糖尿病によって引き起こされる合併症、糖尿病足病変は足の傷が治らず壊死を引き起こし、足の切断を余儀なくされてしまいます。しかし、最近では、この糖尿病足病変の症状を回復させるPRP療法というものが話題になっています。
こちらでは、足の切断を回避するPRP療法とは?自身の血小板で足の傷を回復!という情報を紹介します。
PRP療法とは?
PRP療法(自己多血小板血漿療法 )とは、自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、損傷した組織や細胞に塗布することで傷を回復させる治療方法です。
血小板には、新しい組織や細胞の成長を促す栄養素が豊富に含まれています。そのため、濃縮した血小板を傷や損傷した靭帯、潰瘍などに塗布することで、傷の回復力を高めているわけです。
日本では、主に顔のしわを目立たなくするなどの美容医療として使われていますが、数年前から海外ではスポーツ選手のケガの治療に使われ始めました。実際に2014年にはメジャーリーガーの田中将大投手が右肘靱帯の負傷の際にPRP療法を実践し話題になっています。
そして最近では、このPRP療法が糖尿病足病変に対してとてもいい治療成績を出しているのだそうです。
PRP療法で糖尿病足病変による足切断を回避
糖尿病という病気は、悪化してしまうと様々な合併症を引き起こします。その中でも恐ろしい合併症が、足の切断してしまうかもしれないという糖尿病足病変です。
糖尿病足病変を発症してしまうと、高血圧、高血糖で足の血管が詰まってしまい、傷の治りが極端に悪くなってしまいます。そのうえ、糖尿病によって免疫力の低下、神経細胞の死滅が引き起こされており、少しの傷ですぐに感染症を引き起こしてしまいます。
そして、この感染症を放置していると、難治性の皮膚潰瘍となり、皮膚潰瘍を放置していると、壊死となり、足の切断を余儀なくされてしまうわけです。
このような糖尿病足病変による足の切断を回避するためには、壊死となる前である、皮膚潰瘍の時点で傷を回復させなければなりません。しかし、傷の治りも悪く、免疫力も低く、神経細胞が減ってしまっている糖尿病では、回復するどころか悪化してしまう一方。
しかしPRP療法では、難治性の皮膚潰瘍でも、強制的にカサブタを作り皮膚組織の再生を促します。そして、このPRP療法は、足の切断しかないと決まったような方でも、非常に効果のある治療法なのです。
というのもこのPRP療法は、本当に最後の最後という状態でようやく始める治療法なのです。しかも、そんな重度の糖尿病相性編の方々の22症例のうち、16症例が治癒したというのです。
とはいえ、PRP療法が足の切断を完全の回避できるものというわけではありません。運動や食事制限はしない、タバコも酒もたしなむ、それでいながらPRP療法で足が守れるというような魔法の治療方法ではないのです。
PRP療法はあくまで難治性の潰瘍を画期的な治療法で治すことができる対処療法なだけであり、糖尿病足病変そのものの治療ではありません。そこだけは勘違いしないようにしましょう。
しかし、今まで足の切断しかないといわれていた22症例の内、16症例を救ったというのも事実。足の切断リスクやPRP療法について興味のある方は、主治医の方に聞いてみましょう。