糖尿病の合併症 糖尿病性腎症は人工透析の恐れも!初期症状と治療法
糖尿病の三大合併症の1つ、糖尿病性腎症は、おしっこを作るための臓器である腎臓が壊れてしまう病気です。
この腎臓が壊れてしまうと、血液がろ過できなくなってしまい、尿毒症などの症状を引き起こします。そして恐ろしい事に、悪化してしまった糖尿病性腎症は人工透析を一生続けなければならなくなってしまいます。
こちらでは、糖尿病の合併症 糖尿病性腎症は人工透析の恐れも!初期症状と治療法の情報を紹介していきます。
糖尿病性腎症とは?
糖尿病性腎症とは、糖尿病による合併症の1つで、おしっこを作るための臓器である腎臓が壊れてしまう病気です。腎臓の機能が完全に壊されてしまうと腎不全となり、おしっこを外に排出するための人工透析が必要になります。
この人工透析は、一週間に3~4回、4時間ほどの時間をかけて血液をろ過し、おしっことして外に排出する治療。しかも、この人工透析には終わりが無く、一生続けなければならない過酷なものです。
そのため、完全に腎臓が壊れてしまう前に、少しでも腎臓の機能が残っているうちに適正な治療を受ける必要があります。おしっこの悩みは少々恥ずかしいものですが、尿に異常を感じたらすぐにでも病院に相談しましょう。
糖尿病性腎症が発症する原因
糖尿病性腎症は、高血圧や高血糖など、糖尿病の症状により引き起こされます。これはろ過すべき血液があまりにもドロドロしている事が原因で、腎臓の中にあるろ過装置である糸球体が破れてしまうからです。
一度破れてしまった糸球体からは、糖分やたんぱく質などの栄養素が、尿に下りる事になります。健康診断で行われる尿検査で引っかかるのは、この状態になってから・・・。もうこの時点で結構酷い状態なんですよ!
そしてこのような状態が続いていると、最終的に糸球体が動脈硬化を引き起こし腎不全となり、まったく尿が生成できなくなってしまいます。そうなってしまうと、人工透析生活のはじまりです。
そうならないためにも、尿に蛋白や糖分が下りてきたとわかった時点で、食生活や日ごろの生活習慣を改めなければなりません。
糖尿病性腎症の初期症状
糖尿病性腎症の初期症状は、糖尿病や他の糖尿病の合併症などと同じで、まったく初期症状は感じられないというのが実情です。そのため、いつの間にか体を殺す、サイレントキラーなんて言われていたりします。
とはいえ症状が無いというわけでもありません。主に症状として現れるのは、尿の異常と、体の疲れやすさです。
糖尿病性腎症は、その名の通り尿に糖分や蛋白質がおりてきます。そのため、尿の粘着度が上がり、泡立ちが激しく、消えないようになります。おしっこをした後、ビールのようなきめ細かな泡立ちが消えないようでしたら、一度病院に相談してみる事をお勧めします。
そして糖尿病性腎症は、体のエネルギーをろ過することなく排出してしまうため、異常に疲れやすくなってしまいます。本来であれば、血液から吸収できていたエネルギーが使えないので当然です。
この血液からエネルギーが取り込めないというのは、糖尿病患者が急に痩せるという症状でも現れます。食生活を変えていないのに、急激に痩せ始めた方は、恐らく糖尿病です。注意しておきましょう。
糖尿病性腎症の治療法
糖尿病性腎症の治療は、糖尿病や糖尿病の他の合併症と同様に、運動療法と食事療法に加えて薬物療法で治療していきます。高血糖、高血圧でドロドロの血液のままでは、いつまでたっても糖尿病は治る事はありません。
そして、この運動療法と食事療法を続ける事こそが、糖尿病の予防であり、ひいては糖尿病性腎症の予防にもなります。そのため、少しでも糖尿病の疑いがあるのであれば、早めに病院に行き、お医者様から指導を受けるようにしましょう。
しかし、これはあくまで糖尿病性腎症初期の症状の話。悪化した糖尿病性腎症では、運動療法と食事療法が、通常の糖尿病のものとガラリと変わる事になります。
というのも、通常の糖尿病の食事療法では、血糖値を上げないために糖分を制限してタンパク質を摂るように指導されるのですが、糖尿病性腎症が悪化した場合は、糖分や脂質を摂りなさいと指導されることになるのです。
これは、尿に糖分や脂質が下りてしまう事により、体に栄養がまわらなくなるため、栄養不足にならないようにするための措置です。真逆の事を言われて戸惑う気持ちもあるでしょうけど、お医者様の指示に従う他ありません。
また、運動療法でも同じことが言えます。本来であれば血糖値を下げ、高血圧を抑止するために運動療法が取り入れられるのですが、あまりにも酷い糖尿病性腎症の場合、栄養不足のため、倒れてしまいかねません。
このように、酷い糖尿病性腎症を患ってしまうと、糖尿病の治療も糖尿病性腎症の治療もままならなくなってしまいます。酷い糖尿病性腎症の行きつく先は、辛い人工透析の生活です。
そうなってしまう前に、尿に糖分やタンパク質が下りてきたとわかった時点で、糖尿病の疑いを持ち、治療していくようにしましょう!