坂道の多い街で糖尿病リスク減 糖尿病予防に坂道歩きが有効
坂道の多い地域に住んでいるお年寄りの方では、平らな地域と比べると重度の糖尿病になるリスクが少ないという研究結果を、東京医科歯科大学などのグループが発表しました。
こちらでは、坂道の多い街で糖尿病リスク減 糖尿病予防に坂道歩きが有効という情報を紹介します。
坂道で無意識的に運動することが糖尿病予防に
東京医科歯科大学などの研究チームは、愛知県の6つの自治体に住む65歳以上の高齢者およそ8900人を対象に地域の「坂道の角度」と「糖尿病になるリスク」について関係を調べました。
その結果、坂道が急な地域ほど「比較的重度の糖尿病」になる人の割合が低いことがわかりました。
研究チームの解析では坂道の角度が平均的な地域に住む人に比べて、坂道の角度が「1.5度」きつい地域に住む人は「比較的重度の糖尿病」になるリスクが18パーセント低くなるということです。
傾斜が1.5度という数値は、100メートル進む間に3メートル上がる程度の坂道。坂道という事は認識できますが、歩いてそこまで辛いかと言われるとそうでもない坂道というのが正直なところでしょう。
藤原武男・東京医科歯科大学大学院教授(公衆衛生学)によると、本人が気づかないうちに運動量と筋力が増え、血中のブドウ糖が消費され血糖値の上昇が抑えられている可能性があり、症状が進まなくなったとみられます。
しかし、これはあくまで重度な糖尿病患者の相関関係であり、残念ながら軽度な糖尿病患者では、坂道があろうと無かろうと関係は無かった。
また、急な坂道ばかりだと逆に外出を控える事もあり、傾斜が高いほど効果があるかはわかっていないそう。藤原教授は「高齢者が気づかぬうちに糖尿病のリスクが減るよう、坂道を配置した町づくりができたら」と話している。